未来のない優しさ
涙を流さずに泣いている…。
再会してからずっと抑えてきた柚の本音が、涙の代わりに溢れ出している。
俺へ向ける愛情と優しさに隠されていた苦しみを吐き出すように必死に言葉を探す柚が…。

今まで以上に愛しく綺麗に見えて

「愛してるなんて、柚に言う以外思いついた事ない」

きっぱりと答えた。

「付き合った女は望だけじゃない…。

それに柚と離れてた間一人でいた訳じゃない。

それでも、愛してるって
思ったのも言ったのも柚
だけだ」

再び俺の胸に抱き寄せて
背中をぽんぽんと叩くと

「いてっ」

グーで思いっきり俺の背中を叩いてくる柚。

「おい…いたい…やめろ」

何度も叩いてくる柚を力いっぱい抱きしめて動きを封じ込めて、それでもじたばたする身体。

「…悔しい…」

少しずつおとなしくなっていく柚の漏らす声が震えている…。

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