未来のない優しさ
「あんな綺麗な人が側にいて…抱き合って…キスもして…」

「…柚?」

顔を覗き込むと、潤んだ瞳は俺を見ていなくて、柚自身の心を見つめているようにぼんやりしていた。

「私は…気持ちも身体も健吾しか知らない。
健吾の今までの恋愛を考えるとおかしくなりそうだけど。

一番悔しいのはね。

だからって、私も健吾じゃない人とキスしたり抱かれたり…
してたら良かった…とか
今もしたいって思えない自分が一番悔しい、悔しいの。

どれだけ健吾にはまってるんだろうって怖くなる」

唇を噛み締める柚は、ようやく涙を流して苦笑したまま俺にしがみついてきて…

「健吾だけしか知らない
自分が…嬉しいよ…」

耳元でささやく柚はぐすんと鼻をすすって、ふふっと笑う。
華奢な身体の震えをそっと包んでやると、身体全体が俺に預けられて、俺も胸が一杯になる…。
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