未来のない優しさ
「華穂さんと結婚決まっても、幸せそうに見えなかったし。今日だって、華穂さんいるから送っていけないからって俺呼ばれたし」

「…」

「大和さんが、柚ちゃんを大切にしてるのは間違いないですね」

痛い。

気持ちがどんどん黒くなっていく。

気づいてたよ…。

大和君の気持ち。

俯いてぎゅっと両手を握りしめていると、そっと伸びてきた温かい手。

運転しながら左手で優しく私の手を包んでくれる。

泣きそうになってるだろう目で健吾を見ると、正面を向いたままで表情がよくわからない…。


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