赤い蝶々
相手は私よりおばさん。
若いなら仕方ないと思えるのに年上だけで苛々。

間違っている感情に気付くことなく苛々。

馬鹿の集まりのように彼を攻める。

『お前を選ぶに決まってるやろ』
軽い言葉に更に腹が立つ。
あんた女を何やとおもっとるの、
私の言葉に怯える彼。
一度だって手をあげたことがない。

黙り込み下を向いたまま何も言わない。

『明日大阪で会議がある。その後別れてくる。』

弱々しい言葉を信じるつもりはない。

『ならリアルタイムで聞きたいから携帯通話状態で話し聞かせて』
考えていなかった言葉がすらすらでた。
『それだけは堪忍してくれ』
何度も言ってくる。
『しないなら明日私が本人に話しに行くわ。』
やばいと思ったのか彼が素直に応じた。

もちろん電話はかかってこない。
夜7時頃会う予定なのに、かかってきたのは夜11時。
弾んだ声で彼が言う。
『うい。別れたで!』
『ふーん、ホテルでやったのに別れたんや』
予想を並べる私。
焦る彼。

『私嘘つく奴嫌いなんやて』
何度も言った私の言葉に反省する彼。

突き通す嘘に突き落とされ私は彼と別れる決心がつきました。

毎日とっていた連絡も彼から一方通行。

毎日毎日きたメールには下らない内容ばかり。
『嘘はついてないで。ほんまや。俺がういを選んだ理由は可愛いからや。』

馬鹿馬鹿しいとしか思えないまま拒否し私は行動を起こしました。

銀行へ行きいくらか現金を用意。
車に乗り、彼が働く大阪へ。
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