クロスロードラヴァーズ
潤んだ赤い瞳で縋るように見上げた梓の体を、聖河は後ろに押すようにしてゆっくりと引き離す。
「……梓、そろそろ行った方がいい。兄が心配して探し回っているかもしれない……。」
「わかってる……だけど、まだ帰りたくない。あと十分だけ……聖河の側に居たらダメ?」
願ってもない魅力的な申し出だが、聖河は首を横に振った。
「……ダメだ。梓の気持ちを知った今、自分は何をしてしまうかわからない。」
「別に……いいよ。聖河のこと好きだから何されても、文句言わない。」
「はあ……そういうことを軽々しく言うものじゃない。……本気にしてしまう。」
ため息混じりに返す聖河に、じゃあと梓は付け加えるように言う。
