クロスロードラヴァーズ



「そや、聖河はん!リンゴの味の話……詳しく聞かせてくれへん?誰から聞いた話なん?その根拠は何や?」


「郁……そんなに一遍に訊いたら、聖河が困るよ。」


質問攻めの郁を、梓が押し止める。



「大丈夫だ、梓。リンゴの味……それは先ほど病室に来た青年との共同研究だった。根拠は研究の結果で、聞いた話ではなく調べてわかった話だな。」


クールな表情で、スラスラ答える聖河。



「その青年って……前髪の右側だけ赤く染めて他の髪は黒くて、金色のグラサンかけた派手な男やない?」


郁が確かめるように訊いて、



「あっ!その人なら、階段降りてくのを見たよ!うちらを見て、面食らったような顔してた。でも、すぐに行っちゃったけど。」
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