恋するために生まれた
「あぁ、だから松葉杖」

「そっ。そーゆーこと。
 バイクでコケたのさ」

「あははは
 だっさーい」

「うるへー」




ツバサは男の子なのに
肌が白くて、キレイ。

髪もサラサラしてて
きっとフツーの格好して
外を歩いてたら
イケメンの部類に
入るのかもしれない。





「ツバサ、いくつ?」

「じゅーなな」

「あっ、タメだ」

「マジかよ」



そう言うと
ツバサは屋上内にあるベンチに
ドカッと座った。



「おまえ、
 スカート長すぎねーか?」

「どっ…どこ見てんのよ!」

「ははっ
 おまえもださいな」



ドカッ、と
あたしもツバサの隣に
腰をおろした。



ツバサの横顔を見る。

白い、キレイな肌で
あたしは隣にいるのが
なんだかミジメになった。


「ツバサ、病人みたい」


軽く言ったその言葉に
ツバサは眉をひそめた。

その反応が意外だったので
あたしは少しアセッて
こう、付け足した。


「ほら、色が白いから」


ツバサが
フッと表情を和らげたので
ちょっとホッとして


「肌、キレイだね」

と言うと

「俺はビョーニンじゃねぇ。
 ケガ人だけどな」

と笑った。
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