ジュリエットに愛の花束を。


「……お兄ちゃん、いつ帰るの?」

「おまえはまたその質問か。ボキャブラリーのない奴だな」

「お兄ちゃんがいつまでもちゃんとした答え方をしないから、何度も聞くハメになってるんだけど。

あたしだって、いい加減もう聞くの飽きた」

「じゃあ聞くな」

「お兄ちゃんがちゃんと答えてくれたらもう聞かないよ。

大体、あたしには誰とどこに出かけて何時に帰るか言えって言ったくせに、自分は言わないってどうなの?」

「……半年くらいかな」


お兄ちゃんの答えに、あたしは開いた口が塞がらないほど驚いて……思わず立ち上がる。


「半年っ……?! なんで? なにそれ、嫌がらせ?!」

「違うっ! なんだ、おまえ! 

あんなに『お兄ちゃんお兄ちゃん』言って俺の後付け回してただろっ!

男ができた途端に俺を邪魔者扱いするな!」

「あたしのしてる事を応援してくれるなら邪魔者扱いなんかしないし、いつまでも家にいていいけど」




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