ジュリエットに愛の花束を。

事情



「どうしても食事をご馳走したい」


とか言い出しちゃったおじいちゃんの誘いを断るわけにもいかず。


結局その後、高級そうな和食屋さんで食事をご馳走になった。

旅館で出てくるような食事のワンランク以上上を行くご馳走。

普通なら、雰囲気だけで萎縮しちゃいそうなお店と料理だったけど。

いい具合に酔っ払ったおじいちゃんのハイテンションのお陰で、楽しく時間を過ごせた。

……過ごしすぎた。


料亭を出たのが、22時20分。

門限、20分オーバー……。


おじいちゃんが呼んでくれたタクシーに樹と乗り込んでから、見送ってくれているおじいちゃんに手を振った。


……おじいちゃんおじいちゃん呼んじゃってるけど、会長に向かっていいのかな、こんなの。

親戚のおじいちゃんみたいに話しちゃったけど、大丈夫だったのかな……。





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