ジュリエットに愛の花束を。


「思ってねぇよっ! ……俺なんかが椎名先輩と肩並べられるハズねぇし」

「なんだ、分かってんじゃん。

……そのうち松永にだっていい子が現れるって。

大体、瑞希と椎名先輩ってさっぱりして見えるけど、やってる事バカップルなラブラブカップルだし。

毎朝手繋いで学校来てさー、家にいる時だって絶対しょっちゅうベタベタいちゃいちゃ……いったーいっ!」


ミニスカートに包まれた太ももをつねると、皐は大げさに騒ぐ。


「え、なにが? つった?」

「つったっていうかー……もー、協力してあげてんのにー……。

まぁ、そんな感じだから、松永。そのプリンはあたしが食べる」

「はー?! これ、かなり苦労して買ってきてんのに皐にやるわけねぇだろっ!」

「いいじゃーん。あたし、これ一回も食べた事ないんだよねー」

「当たり前だろっ! 昨日から売り出した一日30個限定商品だぞ?! 俺だってねぇよ!」

「……それを瑞希にはあっさりねぇ。しかも椎名先輩に食べられちゃってるとか、マジ笑えるんだけど。

とりあえず、可能性ゼロだから。早いとこ諦めて。

じゃあ、このプリンは会話代としていただきますねー」

「だからっ!!」



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