ジュリエットに愛の花束を。


「おまえら、いい加減にしろっ!!!」


落としたのは、樹じゃない。

その声に現状を思い出したあたしと樹は、崩していた足で正座し直す。

まだしびれている足に正座……ありえないけど、仕方ない。


並んで正座するあたしと樹の前で仁王立ちするのは……あたしの、お兄ちゃんだ。


「なんでここで正座させられてるのか、分かってんだろうなっ?!」


血管が切れそうなほど怒ってるお兄ちゃんに、樹は落ちついた口調で答える。


「はい。瑞希さんが僕の家に入り浸りになってるからです……よね?」


見るからに反省して見える樹。

だけど、樹の言った言葉に面白くなって、思わず笑いがもれてしまう。


「なに、『僕』って!!」

「目上の人と話す時の常識だろぉがっ! おまえはもう黙ってろっ!」


樹に言われながらも笑ってると、お兄ちゃんまでもが怒鳴る。




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