オフィスレディの裏の顔
よっちは泊まって看病してくれると言ってくれたけど、居てくれても話相手もできないくらい具合いも悪かったし、熱で汗がすごくてそばに居てほしくなかったから、帰ってもらった。

翌朝もまだ熱が下がらず、私は会社を休んだ。よっちは今日も会社帰りに寄ってくれた。

「よっち、何をいっぱい買ってきたの?」

「今日はおかずも買ってきたで。あとヨーグルトな。」

「こんなにいっぱい買ってきてくれても、私食べれないよ。」

「1人で食べる気か?なんや元気出てきたか~」

冗談を言ってじゃれているとき、ピンポーンとドアホンがなった。

「誰だろう・・・」

一瞬マナブのことが頭によぎり、インターホンに出ることを渋った。

「オレ出るで。」

「あ・・・」

私の返事も待たず、よっちはインターホンを取ってしまった。宅配便の人だった。

「宅配便が届く予定はないけど・・・」

「オレ受け取るから、みすずは寝とりや。」

そう言って私を布団へ戻すと玄関へ行ってしまった。実家からの荷物だろうか?はたまた通販のカタログなどどうでもいいものだろか。色々考えていると、よっちは箱を持ってうれしそうな顔をしながら戻ってきた。

「誰から?」

「吉田さんからや。」

「吉田?」

「オレや。」

「?」

「まさか自分で受け取るとわな~。」

「どういうこと?」

「まあ、ええから開けてみ。」

「うん」

箱は30cm四方くらいだろうか。私はよっちから箱を受け取った。

「よっち、これお花?」

「なんでわかったん?お見舞いやと思ったん?」

私は笑った。

「送り状のお店の名前。」

「あーほんまや。おもろないなー。まあ、ちょっとあけてみや。」

よっちに手伝ってもらって、私は箱を開けた。お花とわかってしまったものの、花束であれば箱に入っているはずがない。どんなものが入っているのかドキドキした。

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