*天然彼氏の観察日記*
ぱこん
と乾いた音が聞こえた。
雅哉が稜斗の頭を丸めた紙で叩いたのだ。
「お前、ただでさえ頭悪ぃんだから授業ぐらい出ろ。」
「わかった、わかった。でも!可愛いからって唯には手ぇ出すなよ!?」
「ああ。」
別に一人でも帰れるけどなぁ…。
「じゃ俺戻るよ。」
「あぁまたな。稜斗。」
って、え!?
『稜斗帰っちゃうの?』
「あぁ。お大事にな!」
バタンとドアが閉められまた二人っきりに戻ってしまった。
あの人は…彼女が男と二人になるの嫌がらないの…?
「じゃ帰るか。」
『あ、あたしっ!奈留呼ぶから授業出てていいよ。』