恋に恋した5秒前




「「…え?」」


「だから、恋はブッ倒れて寝込んでるの。だから今日休み」



体育祭が始まってしばらく。

1年の学年プログラムの為に入場門に並んでいると、隣のクラスにいるはずの恋がいないのに気付いた僕らは、近くに並んでいた高橋に聞いた。



「ほんとかよー、体育祭休むとか残念だな」

「…うん。だけどしかたないわよ。ま、たいしたことないって言ってたから、最上心配しなくても大丈夫だよ」



恋、休みなのか…

さよならを言わなくて済むのは、いいようで良くなかった。

心が、ざわついたのがわかる。




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