【禁断の恋】赤い嘘【完】
第三章

変わらぬ想い

父と母が北海道から帰宅した。


祖母の手術も無事成功しホッとしたものの、私の心のモヤモヤは一向に晴れなかった。


星矢はあの日以来私と目を合わせようとはしなくなった。


私を避けるためか朝早く起き先に学校へ行く。


でも父と母が北海道に行っている間だけは学校が終わるとすぐに帰宅してくれた。


担当した炊事だけは確実にこなし、毎回夕食時には美味しい手料理を作って食べさせてくれた。


会話は何一つないけれど、一人っきりで家にいるよりずっとましだった。
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