【禁断の恋】赤い嘘【完】
ドクンドクンと鈍い音を立てる心臓。


恋人の携帯をコッソリ覗き見する気分はこんな感じかもしれない。


いけないと分かっていながらも、この衝動は止められない。



9月12日。


両親が北海道へ行く前日。

……星矢が女の子を家に連れてきた日。


フゥと一度深呼吸した私は、星矢の日記に目を通した。



【9月12日】


女を家に泊めた。
女と関係を結ぶといつも決まって気分が悪くなる。
でも仕方ない。
心はどうあがいたって満たせない。



『心はどうあがいたって満たせない』


その言葉の意味は何……?

私は逸る気持ちを抑え次のページを捲った。

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