【禁断の恋】赤い嘘【完】
星矢と接する時間が長くなるほど辛くなる。


それならば今までのように冷たくあしらってほしい。

そうすればこんなに胸が痛むこともない。


……こんなに惨めになることもない。


星矢が実の兄でなければ……


そんなことを考えずに済むのに。


私は……星矢が好き。


この気持ちは絶対に揺るがない。


だから、星矢お願い。


私の気持ちを逆撫でするような事はしないで……。



「……せ……いや………」

声を上げて泣けば、星矢に聞こえてしまうかもしれない。


私はこの夜、ひたすら枕に顔を埋め泣き続けた。

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