【禁断の恋】赤い嘘【完】
「……なんですか?」


「この前はどうも。ちょっと顔貸してくれる?」


後ろに数人の男を従え腕を組み仁王立ちしている女。

それは数日前、星矢に振られていた女だった。


「……遅刻しちゃうんで」

何かただならぬ空気を感じ取った私は、女の横を通り過ぎようとした。


「逃がさないわよ!」


そう言うと女は私の髪を強引に引っ張り、男達に顎で指示を送った。


するとその指示に従い数人の男達はすぐに私の自由を奪った。


「例の場所に連れて行って?」

「……っつ……―――!」

女の声と同時に腹部に強烈な痛みを感じた私はそのまま意識を手放した。
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