【禁断の恋】赤い嘘【完】
私が星矢を目で追っていた以上に椎名くんも私を見てくれていたんだね。


……ごめんね。


気持ちに応えられなくて本当にごめんなさい。


「……椎名くんには私なんてもったいないよ。これからもっといい人見つかるよ」


私はさっきされた質問に肯定も否定もしなかった。


肯定も出来ないし否定もしたくなかった。


「あぁ。絶対佐原よりいい女見つけてみせるから」


私を安心させようと冗談ぽくそう言う椎名くんは、


「先教室戻るわ。嘘ついて呼び出してごめんな」


私の頭を一度ポンポンと叩き化学室から出て行った。
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