お家に帰ろう。
「へ〜(ホントにいたんだ)。」


明は遥が出ていったドアを見つめていた。


親と違って、妹の立場から言えば、少し安心していた。

そして、

「じゃあ、あたしもそろそろ…」

「彼氏つくる気になった?」

「違うから!」

「なーんだ。ま、その前に将人か!あの子もどーなってんのかしらね?せっかく一人暮らしなんだから、お料理してくれる女の子で見つければ良いのに。」

「今、世間はイケメンブームだから。」

「中身は良いと思うんだけど。」

「こればっかりはね…。行ってきます。」


親は子供を買い被り、
妹は冷静に評価した。


そこそこのルックスをしていても、
ふだんの様子を知っている妹に、それは気付かれにくいものだ。


遥がどうかは知らないが、
でも、
なかなか頼りになる、たのもしい男であることを、明は認めていた。


そしてそれを、目の当たりにする出来事が起こることになるのだが、
それは、
ずっと先のことになる……。



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