お家に帰ろう。
「でも…」

「じゃあ、メル友!」

「…どーして?」

「好きだから!どーせ携帯知ってんだ。いくらでもかけれるし、」

「変えるもん。」

「…」

「もう、会わないほうが良いと思う。」

「じゃあ!…嫌いになれることでもして見せてくれよ!」

「!」

「幻滅するよーなことをさぁ…」

「…セフレなら、なってもいーよ!」

「…」

「幻滅した?…じゃね!サヨナラ!」


明は、市川の方を振り返りもせずに、哲司の方へと歩いて行く。


市川も、もう、それ以上は引き止めはしなかった。

ただ、

「セフレなんて、願ってもないよ…」

ボソっと呟いてみる。



ベンチに座ったまま明を待つ哲司は、

「俺、ここに残るよ。」と、

市川の方を見て言った。


「だね。」

「まさか言っちゃった?」

「そー言えば、テツの名前なんか一回も出なかったよ。」



そしてそのまま明は家へ、
哲司は市川の立ちすくむ場所へと歩いて行く。

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