運命の恋


声のした方向に顔を向けると、そこには心配そうに自分を見つめるアランの顔があった。



「ア…ラ……」



涙で濡れた瞳でアランを見つめ、彼の名を呼ぼうと必死で口を開く。



「よかった……」



そんなロアの頬を手で優しく包むと親指でそっと涙をふいた。



「しゃべらなくていいです。楽にしてください…」



そう言いながら、アランはロアの頭を優しく撫でた。



その時。



「ロア様ッ!」



セルマが大声と共に寝室に飛び込んできた。



部屋へ戻ってきた時にふたりが見当たらないことに驚いたのだ。



「大丈夫です…」



そう言ってセルマに優しく微笑むと、アランは再びロアを見つめた。
< 92 / 158 >

この作品をシェア

pagetop