夢の観覧車
後輩の浜田さんがカウントしてくれる  

「曲さん。こんなスピードでいいですか?」

「はい。お願いします。」 

それでは、いち。にっ。さん。 

拳立てをしながら色んな光景が頭をよぎった。 

中でもジムの練習にいつも付き合ってくれた小林さんと練習した事や帰りにファミレスで食べた冷麺の事 

70回に到達した時 


淳平の頭を一回ここで止めて 

後30回 行った方が完璧に出来ると頭をよぎった。 

そこで拳は特に痛くはなかったがタオルを引いて万全の状態で続ける事にした。 

拳立ては50回を越えた辺りから一気に辛くなる。50回を越えたら後は気合いだけなのだ。 


きゅうじゅうろく きゅうじゅうしち 

さすがに腕が震えてきた。 
すると周りから

「頑張って〜」 「頑張れー」と声が聞こえてきた。

きゅうじゅうはち。きゅうじゅうきゅう。 


ひゃくっ。 

この時、淳平の挑戦が終わった瞬間だった。



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