丸腰デパート・イケメン保安課
シルクハットを白髪の上に乗せ、手に持っていたマントを身にまとい、ミッチーは私を見つめる。


「ミッチーにはわかります。必ずご結婚なさるでしょう」
「断言しないで下さいよ!」

不吉な事を平然と!

確かに、容姿はめちゃくちゃかっこいい主任だけど…お金持ちでもあるけど…結婚は一生の問題ですからっ!

主任の容姿も変さで差し引かれて、むしろマイナス化してるんだから!


私は普通の平凡な幸せがいいんです!


主任と結婚なんて…そんな事になったら、毎日が非現実的で四次元空間ですから!


「期待しないで下さいね?結婚は無いですから」
「ほほほ…まぁ、いずれわかります。年寄りの勘…とでも言いましょうか?」


…言わないでよ。


では、また…と、ミッチーさんは笑顔で去った。


何ですか…その余裕の笑みは?




結婚…主任と?



「絶対に無いね!」


鼻息荒くなるくらいはっきりと言えるっての!


でも、何で主任は…断っても断っても、毎日結婚しようって言えるのかな?
ある意味、不屈の根性だよね?


不屈だろうが何だろうが、結婚はしないけどね!



ミッチーがああ言ってもね!
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