丸腰デパート・イケメン保安課
ここはお化け屋敷か!!
もう…腰が抜ける所だった!

でも、てるてる坊主以外は普通の部屋?

倒れた状態で首を上げる。窓際にベッド…とりあえず、あそこまで主任を運ばないと!

でも起き上がれない!
主任が私の上に倒れてるんだもん。

「主任っ起きて下さい!」
重いから!
「…ふふふ……」
何っ?!突然笑い出したけど!

「…罠にかかったな…綾美…」

罠?!

「ちょっ…何言ってんですか」
「この時を待っていた…綾美が一人でここへ来る時を…」
「……へ?」
どういう意味?

「今…ここには俺と綾美、二人きり…他には誰もいない…ああ、てるてる坊主のジェシー・ハミルトンは居るが」

ジェシー・ハミル…いかにも実在しているかの様なフルネーム!!

違う!そんな場合じゃない!

主任の言ってる意味がわかんないんだけど!
罠って何なの?!二人きりとか言ってるし!


「綾美…」

顔を上げると…主任の綺麗な顔が…近い!!

熱っぼい瞳で見つめられてるんだけど…まさかこれは…このシチュエーションは…手負いの獣に追い詰められた私?!

そうだ!主任も男なんだよ!

「覚悟はいいか」
「覚悟?!」

ちょっと待って――!!
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