丸腰デパート・イケメン保安課
「主任!落ちついて!」

いきなりそういうのって無い!
今日は勝負下着じゃないんだからぁっ!!

「全トラップ作動!!」
「ダメっ!主任!」

――…え?

トラップ?

「…………」
「…………」

思わず無言…何にも起こらないけど…。

「…っち!」
主任が私の上で舌打ちした。

「トラップはメンテナンス中だったのを忘れていた…」
「っ馬鹿ああぁ―――!!」
まぎらわしい言い方するなあぁ――!

上に乗る主任を巴投げの要領で投げた!

「何だあぁっ?!!」
飛んだ主任は綺麗に弧を描き、ベッドの上へと落ちた。

「?!今のはトラップか?!」
「投げられたんだよ!馬鹿!!」


くそうっ―!!悔しい!
主任相手に一瞬でもその気になった自分が!

勝負下着とか考えちゃったじゃない!!
まぎらわしい言い方しやがって!!

びっくりしたけど、嫌じゃなかった自分が悔しすぎる!!


私…主任の結婚してくれって言葉に毒され始めてるのかなぁ。

ベッドの上で、ぐったりする主任を見つめる。


この人と結婚なんかしたら…幸子よりも波瀾万丈な人生になるに決まってるのに。

主任の馬鹿!

…ため息。

雑炊…作ろうかな…。
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