丸腰デパート・イケメン保安課
ああっ!私!翻弄されてるぅ!!

「どうしました?桜田さん」
「…いえ…何も」
落ち着け、私。


「その結婚詐欺なんですが、なかなか巧妙で変装なんかもするらしいっすよ?なかなか捕まらないって話」

「…巧妙?捕まらない?」

主任が、ビリーバンドを伸ばしていた両手を緩めた。

何?すっごい嫌な予感…。


「みんな…鮮魚のハゲ山には世話になったよなぁ…」

主任?目が遠いけど?
そしてしみじみと語り出しちゃったよ?!

みんなは顔を見合わせてる。

「…ああ、そうだな。世話になったな。ハゲ沢さんには」
ハゲ沢って?
「そうですね、和みますよね?ハゲ村さんの存在は」
え?ハゲ村?
「ハゲ川さんは命の恩人っすよ」
ハゲ川?!

「そうだろう…魚のアレを隠したのも…ハゲ岡の思いやりかもしれん!俺が喰われないようにと…!」

喰われる――?!
アレって人喰うの?!

「と、言う訳だ!みんな!」
「埋めておこうか」
「ジャックですね!」
「昇ったら巨人がいるんっすね!」

話が見えない!?!

「どういう展開になりつつあるんですか!」
「空気読め、綾美」

あんたに言われたくないっ!

「みんなで詐欺を捕まえるんだぁっ!!」
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