*整形人間*
かこのはなし
私の家は裕福だった。
医者の家系に育った父は優秀な脳外科医。
大きな病院をおじいさんから受け継ぎ、地域では1番のさらに大きな病院にした。
母も裕福な家の出で、聡明で美人。
誰からも好かれる自慢の母だった。
英才教育なだせず、のびのびと私を育ててくれた両親。
ゆとりのある父と母からの最高級の教育で、私の成績は常にトップだった。
私にはあなたという幼馴染の彼氏が居た。
初めてのキス。
初めての経験。
少し早熟な経験だが、幸せだった。
お互いを大事にしていた。
そんな時、母が男性と駆け落ちをした。
あっけなく幕を閉じた幸せな記憶。
父は、母に似た私を抱いた。
成長するにあたってどんどんと顔の似てくる私。
でも、父には似ているだけでは物足りなかった。
私をあなたと引き離し、この街へと引っ越した。