小悪魔な幼なじみ





「あたしの半径3メートル以内に入らないで!」


「分かったって。

さっきからそれ、何度目?雫」


廉が呆れた目であたしを見る。


「廉が近づいて来るから何度も言うハメになってるんでしょ?!」


「ごめん、ごめん」


廉はそう言いながらもやっぱり近づいてきて。

結局、あたしの言うことを聞いてくれないワケ?


なんて思っていると


「おはよう、廉、雫ちゃん」


突然、そんな声が聞こえて。


振り向いたあたしは


「おはよう、竜馬くん」


そう言って微笑んだ。


声の主は転入生の音無竜馬くん。


そしてふと、気づく。


「廉、顔」


「うるさい」


廉の顔が急に不機嫌になったことに。


ホント、すぐに顔に出るんだから。

竜馬くんの何がそんなに気に入らないのかあたしにはまったく分かんない。









< 104 / 215 >

この作品をシェア

pagetop