小悪魔な幼なじみ
「え…?それ…どういうこと…?」
相変わらず竜馬くんは悲しそうに笑ったままで。
胸のドキドキの速さが増す。
「そのまんまの意味だよ。
…俺は雫ちゃんが好きなんだ。
どうしようもなく、ね」
竜馬くんがそう言い終えると同時にチャイムが鳴った。
6時間目が始まったのだ。
「いや…でも…突然そんなこと言われても…」
「突然?
俺、結構アピールしてたつもりなんだけどなぁ…
やっぱり気づいてなかったんだ」
アピール?
竜馬くんが、あたしに?
「ウソ…だよね?」
「こんなウソついてなんになるの?」
確かに竜馬くんの言う通りだ。
ウソをついたって誰も得しない。
「あたし…あたしは…」
喉まで言葉が出かかっていた。
でも竜馬くんの顔を見ると何も言えなかった。
だって竜馬くん、笑ってるのに
目が全然笑ってなくて。
きっと…心の中じゃ泣いてる。
それが分かってたから。
だから何も言うことができなかった。