小悪魔な幼なじみ

「ってことは…母さんと秋平さん、それに浩兄が働いてる高校は、香奈さんのお父さんの持ち物…ってこと?」


廉、目が点のままだよ。

そろそろ瞬き…したら?



「まあそういうこと。

でもホント、理事長が優しくて良かった。


初めて香奈が理事長の娘だ、って知ったとき、俺…倒れそうだったんだから」


浩兄はそう言って笑う。



「そうそう。

お兄ちゃん、おかしくなってたもんね」


「あのときの浩介を思い出すと今でも笑える」


お父さんとお母さんはニヤけ顔。

あたしもそこにいたかったなぁ…なんて。



「でもホント、あの強面の理事長が結婚を許しちゃうなんてねぇ…

私もビックリだったんだから」


光さんがそう言うと浩兄は苦笑いで言った。



「あいさつに行ったときは殴られるんじゃないか、って思いましたもん。

でも話してみるとすごく気さくな方で、

俺が真剣だ、って分かったら


香奈のこと、頼んだぞ、って。

俺、泣いちゃうくらい嬉しかったなぁ…」



「やめてよ～

恥ずかしいじゃん」


香奈さんは大照れ。


なんかいいなぁ…

すごく仲が良いのが伝わってくる。