小悪魔な幼なじみ




「雫…覚えてないの?

ずっと昔…ここで約束したじゃん」



「……覚えてない」


そう答えると廉が悲しそうな顔をする。

だけど…思い当たる約束が1つだけ、あった。



「ヒドイなぁ…雫は。

俺、ちゃんと言っただろ。


大きくなったら結婚しようね、って」



「…バカじゃないの」


思わずそんな言葉が出た。

だって…


「そんな約束、してないでしょ」

結婚しよう、なんて言われてないもん。


ここで約束した約束は…それじゃなかった。



「あれ?バレた?

って気づいたんなら雫、覚えてるんだね」


廉がニヤッと笑う。


あれ?あたし、騙された?



「ここで…約束したんだよな。


大きくなってもずっと…一緒にいようね、って」













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