秘密の誘惑
退社時間になっても裕美は立ち上がらない。


「萌さんはもう帰ってもいいのよ 貴方にやってもらえる事はないから」


その言葉に萌の心臓はズキッと痛んだ。


「お・・・お先に失礼します」



萌は机に向かっている裕美に頭を下げると机の一番下の引き出しからバッグを持って部屋を出た。



なんか悔しい・・・何も出来ない自分に腹が立つ・・・。



ドアを閉めた萌は唇をきつく噛んだ。



「裕美」


萌が出て行った秘書部屋にディーンがいた。


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