秘密の誘惑
大学頃の話を聞いたりするのは楽しかった。


いや、ディーンの話を聞くのが楽しかった。


ウィットに富んだ話で萌をリラックスさせてくれる。


でもずっと気になっていた奥様の話は出なかった。


あっという間に10時を回っていた。


「もうこんな時間っ!」


萌は腕時計を見ると驚いた。


時間が経つのが早すぎる。


「明日も仕事があるから今日はこの辺で萌を返そう 送っていく」


「大丈夫です」


確か社用車はもう帰してしまっているはず。


ディーンもワインを飲んでいるから運転は出来ないし。


「タクシーで送ろう」


「支社長、それでは二度手間になってしまいます 支社長のお部屋はこの上なんですから」


萌は真剣な顔で言った。



< 144 / 404 >

この作品をシェア

pagetop