秘密の誘惑
萌が食べるのを嬉しそうに見ながらディーンも一通りは口に運んでいる。


それでもテーブルの上の料理はまだたっぷり残っている。


食べ物を無駄にしたくないが為に萌は食べ過ぎてしまった。



「はぁ~ ごちそうさまでした」



お腹を押さえながら満足の表情を浮かべた萌。



「もういいのか?」


「これ以上一口も入らないです」


食べ終わってしまうと隣に座っているディーンがすごく気になりだした。


「萌」


ディーンの指が突然伸びてきて身構えてしまうと指は口の横に触れた。


「クリームが付いている」


親指の腹で優しく拭われ、萌の見ている前でその指を舐めた。


その姿が絵になっていて萌の心臓がトクンと音をたてた。



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