秘密の誘惑
「時期外れの異動にあれこれと言う者もいるかもしれない だが贔屓(ひいき)はしていないつもりだ 萌の成績はトップクラスだった・・・これは人事の過ちで、それを正しただけだ」


そう言いつつも萌が気に入っている事には違いないが。



「・・・でもやっぱり言う人は多くて・・・」



それだけ言葉にすると再び涙が溢れ出た。



「萌・・・」



この人事は間違いだったのだろうか・・・。


傷つく萌を見ていたくない。


しかし辞めたいとまで追い込んでしまったのには自分のせいだ。


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