秘密の誘惑
「あまりにも遅いから逃げたのではないかと心配したよ」


苦笑いを浮かべながらディーンは近づいて萌の手を取り自分の目の前の席に座らせた。



当たっているだけに何も言えない萌は黙って座った。


座るとワインリストをディーンに見せソムリエと何か話している。



「萌、好きな物をオーダーしなさい」



「え?あたし分からないので・・・お願いします 好き嫌いはありません」



メニューを見せてもらったがちんぷんかんぷんだ。



いくら普通の家より裕福に育ってきたとは言えこんな高級店に入るのは生まれて初めてで気後れしてしまう。



「OK」



ディーンは真剣な顔でソムリエとメニューの相談を始めた。



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