秘密の誘惑
* * * * * *



「お腹いっぱい~」


おいしいお料理とワインで萌の気分はかなり軽くなっていた。



明るくなった萌を見てディーンはやはり食事に連れ出して良かったと思った。


ピンク色に染めた頬に唇をつけたくなる。


そしてにっこり微笑む口にも。


「ディーン?」


じっと見つめられて萌は訳も無くさらに頬を赤らめる。


「あぁ・・・萌にキスがしたいと思っていたんだ」


まったく・・・口がうまい・・・。


しかも微笑みながら言うディーンはさまになっている。


でもこのまま流されちゃダメ。


決めたんだから。


食事の間中、萌はある事を決めた。


それを告げるのは今しかない。


「あの・・・ディーン、お話があるの」


心を決めて思い切って言った。



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