秘密の誘惑
秘書室に戻った萌はぐったりとイスに沈み込んだ。


「いたた・・・サンドイッチ、こってりし過ぎていたかな・・・」



左手で胃の辺りを押さえながら、右手で机の引き出しから胃薬の瓶を取り出し飲む。



パソコンを立ち上げメールを見始める。



ふと気づくと思いはディーンへと行ってしまう。



隣の支社長室にディーンがいないせいだ。



恋心は無理矢理、心の奥へしまいこみ仕事一筋に徹した。



それでもディーンを見たり、仕事の話をした時は心が浮き立ってしまうから悟られないように無表情に徹したつもり。



ディーンがまだあたしの事を好きなのかは分からないからすごく不安。



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