秘密の誘惑
「もういいだろう」


ディーンが吐き捨てるように言うと、不意にタマラの唇がディーンの唇に合わさった。



「!」



目の前で起こった事に萌は目が大きく見開いた。



不意のキスはちゅっと言う音をたてて終わった。



「ではごきげんよう 結婚式には呼んでくれるわよね?」



ディーンには言わずに萌に言う。



萌は返事が出来なかった。



腰に置かれたディーンの手がこわばったのが分かったからだ。



「タマラ様」



カーティスが促すと「It is annoying!」(うるさいわね!)言う声がディーンの耳にも届いた。


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