秘密の誘惑
* * * * * *


萌は指定された部屋をノックした。


中からは誰の声も聞こえない。


もしかして・・・間違えちゃった?


萌の手はじんわりと汗をかいてきた。


どうしよう・・・遅刻なんてしちゃダメなのに・・・。


一歩後退するとヒールの音が近づいてきた。


「藤田 萌さん?」


受付のペパーミントグリーンの制服を着ているので間違いではないだろう。


裕美が聞いた。


「は、はいっ」


うわっ・・・きれいな人・・・出来る女って感じ。


萌は目の前の柏木 裕美を見て感嘆のため息をつきそうになった。


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