秘密の誘惑
「も、もう戻ります」


萌は立ち上がった。



立ち上がった瞬間、足首がズキッと痛みよろけてしまう。


ディーンの手が支えてくれなければ、膝小僧を大理石のテーブルに打ってしまっただろう。



「あ、ありがとうございます」


ディーンの手が萌の太ももの所に置かれ、一瞬で萌の身体が熱くなった。


「足はどうした?」


「あ、朝マンホールの穴に・・・たいしたことないんです」


そう言っている間にディーンの指が痛めた足首に移動していた。


そっと痛みを感じさせないくらいに触れていく。


触れられた場所が熱く感じる。


っ・・・や・・・どうしよう 身体が自分の体じゃないみたい・・・。


ドキドキと心臓が暴れて、呼吸が浅くなっていく。



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