ハイヒ! 〜high scool HERO〜
『……』
オレとあの女だけが補習。だと思っていた。
ガラー!
教室の古びた扉を開けるとあの女、そしてもうひとり。
女がいた。
あまり見ない後ろ姿。
誰だ?
『篤史何やってたの〜。遅いし!!』
『ごめんごめん』
オレは適当に返事をした。もうひとりの女はまったく反応しない。
オレはあまり気に止めず、自分の席に着いた。
キーンコーンカーンコーン♪
ちょうどだ。
いかつい保健の教師が入って来る。
『うわぁ…
宮辺だよ』
隣の女が喋りかける。
オレはじっとしていた。
それから補習は始まった。
何時間だろう。終わる頃には皆汗だくになっており宮辺の薄っぺらいポロシャツから見たくもない乳首が透けていた。
キーンコーン〜…。
ガタガタ!
『はあ
終わったぁ!まじ篤史あたしにもアイス奢ってよ』
『コンビニ行けば』
『冷たい〜』
ったく。
この女がいる限りオレが自由になることはない。
『早く帰れよ』
『何よ〜。また補習あるくせにっ』
この女がオレを見下しながら言ってきた。
いらっとした。
もうひとりの女はじっとしていた。死んでんのか?
『じゃあな〜!!向井篤史〜!』
『んあ!?』
『じゃあねん♪向井ゆんさん♪』
もうひとりの女が反応してバイバイと手をふる。
向井…?
同じ名字だ。
こんなやついたか?