【件名:ゴール裏にいます】

僕の母親は道三の地元の隣町に住んでいた。訪ねて行ったのは学生時代の親友だ。
母親は親友に「残して来た女の子の事は心配してるけど、頭の良い子だから大丈夫。道三は女にだらし無いのが許せなかった。お金の計算は出来るのに下半身の計算が出来ない人だ。あの水商売の女の視線に耐えられなくなった」
と、話したと言う。

その時にはすでにお腹の中には道三の二人目の子供を宿していた。

「これからどうするつもり?」と聞かれた母親は「とても素敵な海岸を見つけたの。そこでこの子を育てるわ」と、言い、とても穏やかな顔をした。



それからの話は憶測の域を出ないが、そこの素敵な海岸で、そこの海を愛していた男性と再びの恋に落ち、楽しい人生を大好きな海の側で過ごしたのでは無いだろうか。

今となっては、それを知るのは僕の父親だけだろうと野良さんは締めくくった。





「でも、だからって僕が那比嘉道三の子供だって証拠は無いんじゃないですか?母親は一緒でも父親まで同じとは信じません」

「ククククッ。では、聞こうか、お前のその女に対するだらし無さは誰に似たんだ?」

「ぐっ・・」

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