白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~




「この高校に来て、陸上部に入ったから出会えたんだ。俺もお前らもみんな。その仲間との思い出を、楽しいものにしたいって思うだろ。これからも、誰かが何か気づいたら、こうして話し合うようにして欲しい。見て見ぬフリは絶対にするな。話し合えば、必ず解決できる。俺はお前らのこと信じてるから」



言い終えて、ニヤっと笑ってみる。


みんなも笑う。




「新垣先生、熱血すぎ!!」



「昭和のスポ根ドラマっぽい!」



「夕日に向かって走りますか?先生!!」





明るい雰囲気に戻る。



3年生の練習を見に行くことになった。


1年生と2年生は、明日のミーティングでもう一度話し合いをすることになった。



もっと深まればいいな。



そこに、俺は必要ない。


もう安心だ。





「俺、帰らせてもらっていい?」




岡崎先生に後は任せて、俺は急いで駐車場へ走った。





愛しい直の元へ……



浴衣に着替えた直は、夜空を眺めながら俺を待っているはず。





約束の時間は過ぎたけど……


何とか花火には間に合いそうだ。





―先生目線END―





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