白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「直ぉぉぉ~、こっちおいで」


甘えた声。


大好きな先生の酔った声。



さっき高校生に怒鳴っていた人と、同一人物と思えない。




目を細くして、甘い声を出す。


みんな彼氏持ちだから心配することはないんだけど、こんなかわいい先生は私以外の人には見せたくない。


それくらい、かわいいんだよね。



「かわいいなぁ、先生」



私が言おうとした言葉は、美穂に言われてしまった。



美穂があんまりにもじっと先生を見つめるからふと不安がよぎる。



ありえないんだけどね。




先生とこんなに長い時間いると、先生を好きになってしまう人がいるんじゃないかって。




もしも私が、先生じゃない男性と付き合っていて、先生と出会ってしまったら……




きっと、先生に奥さんがいても好きになっちゃうよ。



だって、先生すごく魅力的なんだもん。




< 77 / 358 >

この作品をシェア

pagetop