下心と、青春と


「あ、そうだね。なんかよく考えられなくて、変なこと聞いちゃった。ごめん」


「いいよいいよ。それで?」


私の家と千代吉くんの家は、結構近い。


学校からは私の方が近い。


「さっき、一香に『好きだよ』って言われた」


「えっ!?マジ!?」


「うん」


私が梨太郎と付き合うってことになって(偽装だけど)、一香もついに決心したってことか!


「そ、それで?何て返したの?」


「僕も『好きだよ』って言った」


「……ん?」


あれ?普通に上手くいってるじゃないか。


「そしたら、一香が急に怒りだして、『私が言ってるのはその好きじゃない。もう一緒に登下校してやらない』って」


「あー……なるほど」


< 34 / 81 >

この作品をシェア

pagetop