下心と、青春と


それは怒るかもな、一香だったら。


「だから、一香の言った『好き』って何かなって思って。柚葉ちゃんなら分かる?」


「分かるよ」


「お、教えてくれないかな?」


「だーめ」


「なんで!?」


「コレは多分、千代吉くんがちゃんと気付かなきゃいけないことだよ」


「……そっか。頑張ってみるよ」


「おうよ。それじゃ、私はこっちだから」


「うん」


千代吉くんと別れて、家に帰る。


よし、家に帰ったぞ!


「これで家に帰った!もういいだろう!」


ベッドに倒れ込み、しばらくうとうとしていたら、急に現実に戻された。


「……弁当、明日、アイツの分も作らなきゃいけないんだった」


家に帰ったって偽装じゃないか!!



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