下心と、青春と


イライラしながら歩いていると、ふと気がついた。


「あ、アイツ私の家なんて知らないじゃん。そういえば」


そりゃあ迎えになんて来ないわな。


寧ろ、迎えにきたら怖い。




「……やっと着いた」


一人で黙々と歩くと、こんなにも長い道のりだったのかと思う。


私は下駄箱を開けて、上履きを取り出す。


ついでに、上履きの中に何かないか確認する。


「よかった。何も入ってないや」


何でこんなことしてるのかっていうと、梨太郎と付き合ってる(偽装だけど)ことが広まってたら、絶対いじめられること受け合いなのだ。


だとしたら、上履きの中に画鋲とか、上から水掛けられるとかするんじゃないかな。


っていうのは少し考え方が古い?


よく分からないや。



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