ツギハギの恋
この日は金曜日で、バイトが休みのあたしは電話でママから食事に誘われた。


義理のパパとは未だに気まずくて断りたかったが、お姉ちゃんに「家族ごっこも親孝行よ」と強制的に家から連れ出された。


夕方5時過ぎ。

外はひんやり肌寒い。


駅までの道をお姉ちゃんと並んで歩く。


「あーあ……家で鍋でもやるのかな?」

「焼肉かもよ?あんた行きたいって言ってたし」

「言ってないし」

「言ったし」



実家に行くのは久しぶりでいまいちピンと来ない。

実家と言っても元々はお姉ちゃんとギリパパの家で、あたしは一年ほどしか住んでいない。



「気まずいんだけど……パパ怖いし」

「まあね。でも見た目だけよ」

「あんまり話さないしさ……」

「大人だって照れ臭いのよ」



あたしの話にお姉ちゃんはサバサバと返す。

親子だから当たり前かもしれないけど、お姉ちゃんはどこかギリパパに似ている。

ふと立ち止まるとお姉ちゃんも立ち止まり振り返った。



「あたし、ななこさんがお姉ちゃんでよかった……」


「何よそれ?気持ち悪い」


「うそ、照れ臭いんでしよ?」


お姉ちゃんは少しムッとしてまた前を向いて歩き出す。


「はいはい……あたしもあんたが妹でよかったわよ」

「ツンデレか!」



こんなふうに案外、パパとも上手くやれるかもしれない。
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